【連載】泉工業㈱の部署紹介【工機・板金編】
7月、暑さはきついですが
負けじとHがお送りするこのシリーズ。
いよいよ泉工業の事業のコアへと突入します!
・・・の前にひょっとすると泉工業の概要を
知らない人がいるかもしれないので
改めて説明したいと思います。
泉工業の事業は大きく2つに別れています。
①受託製造
:お客様の図面を基に製作を行う事業
泉工業株式会社として立ち上がってから
2021年7月現在で37期すなわち37年間
行っている事業
②自社製造・販売
:社内で開発をした技術を取り入れた
プラズマ装置「IPSOLON」
油回収装置「オイルプール」
の製作・販売
リーマンショックのあおりで
①がワークシェアをするレベルに
なったのをきっかけに
新しい柱として、始まった事業
(Hが所属しているのはコッチ)
になります。
そしてこの①の事業を行う主要部署が
工機・板金・溶接になります。
今回紹介する部署は【工機・板金】です。
主な仕事は受託製造品の製作なのですが、
それだけでは一言で終わってしまい
つまらないかと思い
今回は各機材と主要な作業内容も含めて
紹介します。
【工機】
この仕事は一言で表すと
「塊を削って製品の形にする。」
になります。
コンピューター任せが多い
板金と比べて作業者の技量に依存する部分が
多く、経験と技が要求される作業が多いです。
・汎用旋盤
素材を回転させ、
刃を押し当てることで、削りだします。
素材の回転速度設定・刃の種類・適切な
刃を当てる順番・回転による暴れの防止
削りこむ深さの確認等々を
すべて手動で行うので、単発物が多く
熟練の経験と技が必要になります。
(Hも試作品でピンなどが必要な際に
訓練も兼ねて借りますが、結構難しく、
図面の通りにならない事が
多いです。)
・汎用フライス
旋盤とは逆に素材の塊へ
高速回転する刃を押し当てて
製品の形に削り出します。
削る方向により「縦型」「横型」
と分かれています。
(製品の面を削って綺麗な平坦にする
作業などで活躍しているのを
Hはよく見かけます。)
・NC旋盤
汎用旋盤と違い、各条件を
備え付けのコンピュータに入力することで
操作を行います。
材料のセットは熟練度に関係ないので、
オペレーター:条件設定後、汎用旋盤で作業、
作業者(別部署か作業経験の少ない人)
:素材セット・待機・交換の繰り返し
というような分業体制で、数量の多い品も
対応できます。
・NCフライス
汎用フライスと違い、各条件を
備え付けのコンピュータに入力することで
操作が行えます。
特に写真の5軸加工タイプは
1面を固定した状態で
残りの5面を加工できる機械です。
NC旋盤の様な分業体制は取れず、
オペレーターが条件セットと
材料の交換を行います。
(NCフライスは5軸でなくても
加工の幅が広がるのでHは是非とも
操作を覚えたい機械です。)
・ボール盤
ドリルが固定された作業台で
簡易の穴あけは
こちらで行います。
(Hがよく試作部品製作の際に
使用する加工機です。)
・タッパー
扱いはボール盤と似ていますが、
ネジ穴を形成するのに使用します。
(こちらもHがよく使用しています。)
・ラジアルボール盤
ボール盤やタッパーでは加工できない
サイズの製品を加工するのに
使用します。
上記の機械類を用いることで、
工機では製品を作ります。
【板金】
工機に対して板金の仕事はどんな事?
を一言で表すと
「板を曲げて製品の形にする。」
になります。
(ペーパークラフトをイメージすると
想像しやすいかな?と思います)
丁度このブログを作成していた際に
試作部品の製作に取り掛かっていたので、
その写真を入れつつ紹介して行きます。
①データ作成(プラグラム)
ここでミスをすると板金の作業は
失敗となる重要度の高い工程です。
図面の内容を基に専用ソフトで
展開図を描写(お絵かき)して、
加工に必要なデータを作ります。
一見すると簡単ですが、複数のパーツが
組み合わさっている図面の場合
そこから各パーツの姿とハメ合わせを
想像して個々の加工データにする
高いイメージ能力が必須です。
↑ 図面・展開図・3D
②抜き(レーザー、タレパン加工)
プログラムで作成したデータを基に
鉄板からレーザーでの切り出しや、
ターレットパンチ(タレパン)での
打ち抜きを行い、製品の形を作ります。
(Hはガスなどの加工コストは高いですが、
複雑な準備の少ない抜き初心者向けの
レーザーをよく借りて使用しています。)
↑レーザー加工機の画面・加工風景・切り出された部品
③前処理(バリ取り、タップ加工)
抜きで加工された製品は断面が汚く
そのまま触れるとケガをしてしまうので、
ディスクグラインダーなどで
バリ取りを行います。
(写真忘れました・・・(。。;))
④曲げ(ベンダー)
油圧プレスと金型で製品を曲げて立体にします。
コンピュータをほぼ使用しない機種
(汎用ベンダー)は作業者が
曲げた際の鉄板の伸び幅などを電卓で
計算してプレス位置を決めますが、
NCベンダーというタイプは
曲げる順番を指定すれば
コンピュータが判断・指示をします。
作業者はその情報と実際の状態から
微調整をして作業を行います。
↑曲げる順番の設定・コンピュータからのセット指示・曲げている部品
これらの作業で作った部品は単品なら管理部で
検査を受け、組立なら溶接にと運ばれます。
↑出来上がった部品
泉工業ではこれらの機材を
駆使して部品を作り、
組み上げる場合は溶接へ持ち込みます。
(逆に溶接で形にした物を旋盤、フライスで
加工するケースもあります。)
ここでの品質の良し悪しが泉工業の
評価へと繋がる重要な部門の
一つです。
次回はここで作られた製品を組む
溶接を紹介してゆきます。
お楽しみに!